コピー機やレーザープリンターの基礎知識!?トナーカートリッジとドラムカートリッジの違いとは?
コピー機(複合機も含む)やレーザープリンターに使用されているトナーカートリッジやドラムカートリッジは、どちらも消耗品です。交換時期が近づいてきたとき、操作パネルのディスプレイなどにメッセージの表示が行われてトナーカートリッジはトナーがなくなると印刷ができなくなることもあります。ここでは、トナーカートリッジとドラムカートリッジそれぞれの役割や交換の必要性、交換時の注意点などについて解説することにしましょう。
コピー機やレーザープリンターの原理を分かりやすく解説
コピー機やレーザープリンターは、感光体ドラムと呼ぶ部分に静電気を発生させてレーザー光とともに文字や画像などを形成させて、そこに粉末のトナーを付着させ紙に転写するといった動作原理を持ちます。パソコンからプリンターに送信した電子データやコピー元をセットしてコピーするときには、内部で帯電・露光・現像・転写・定着といったプロセスによりきれいな文書や美しい写真を印刷できます。帯電は感光ドラムでマイナスの静電気を付与する、感光ドラムはカメラのフィルムのような役割持つもので印刷する原稿の像が写されます。マイナスを帯びている感光ドラムにコピーする原稿に基づいたレーザー光を照射、レーザー光が照射された部分はプラス側の静電気が発生して、マイナス側はなくなります。露光後に残るマイナス側の電気はコピーする原稿と同じ像になっていて、次のプロセスでもある現像の際に粉末のトナーを使い、マイナスの静電気を帯びていない部分だけ負付着する、後は転写および定着のプロセスを経てコピーや印刷が完了します。
ドラムカートリッジはレーザープリンターやコピー機の部品
レーザープリンターやコピー機(複合機)には、黒トナーのみを使用するモノクロ仕様と4色のトナーカートリッジを使用し、その色ごとに専用の感光体を使うタイプがあります。モノクロプリンターのドラムカートリッジは1つですが、カラープリンターでCMYKのタイプには4つの色ごとのドラムカートリッジが使用されます。レーザープリンターなどレーザー機器は、ドラムカートリッジ(感光体ドラム)と呼ぶ部分に鉄粉を混ぜて帯電を可能にしているトナーと呼ぶ粉を付着させて、そこに紙を押し付けて印刷を行う仕組みです。これは印鑑と同じような仕組みを考えると分かりやすいかと思われますが、印鑑は朱肉を付ければ連続で押すことができるのと同じで、連続印刷ができるプリンターやコピー機には欠かせない存在です。なお、ドラムカートリッジも消耗品なので時期が訪れたら交換が必要ですが、消耗すると帯電不良やトナーの付着などさまざまな不具合が起こるようになるため、ディスプレイなどに交換のサインが表示されたら早めに交換しましょう。
トナーカートリッジはトナーが入っている消耗品
トナーは、色を付けるための粉を意味するものですが、単なる色の粉だけでは静電気がある場所に付着しないので鉄の粉が混じっているのが特徴です。トナーは、現像のプロセスで使用されるものですが帯電している感光ドラムにこれを付着させるとマイナスの静電気が帯びていない部分だけ粉が付きます。ちなみに、紙詰まりなどが生じたときに、詰まった紙を取り出そうとした際に紙に付着しているトナーが指に付いてしまった、このような経験を持つ人も多いといえましょう。これは、感光ドラムに再現された現行の像をコピー用紙に移すプロセスでもある転写後の状態で、この後のプロセスでもある定着まで進むとトナーは紙にしっかり固定されるので指に付着することはありません。なお、トナーカートリッジはモノクロタイプのプリンターは黒1色のトナーのみですが、カラープリンターの場合はCMYK4色のトナーカートリッジを使うことでデータに含まれている色を分析してそれぞれの色を組み合わせて用紙に吹き付けます。
ドラムカートリッジとトナーカートリッジは組み合わさることで印刷できる
レーザープリンターは、インクではなくトナーをドラムに吹き付けることで印刷ができる仕組みです。吹き付けた後は用紙をドラムに押し付けて紙に転写させる、これにより文字やイラスト、写真などを表現できる、印刷できるようになるわけです。そのため、トナーカートリッジとドラムカートリッジの2つが組み合わさることで印刷ができることが分かるのではないでしょうか。紙に文字を書くときには、用紙とペンが必要であることを同じように、いずれかが欠けても印刷ができません。いずれかの不具合が生じてしまうとプリンターでの印刷ができないため、プリンターの真価を発揮できないのでトラブルが生じたときには直ぐに解消が必要です。なお、モノクロ機のトナーカートリッジは1色ですが、カラープリンターの場合はシアン・マゼンダ・イエロー・黒の4つが別々になっているものを使います。製品にもよりますが、カラープリンターで1色でも残量がゼロになると印刷ができなくなることもあるのでドラムカートリッジと同じく予備の準備は必須です。
それぞれのカートリッジの交換時期が近づいた際の表示例
トナーカートリッジやドラムカートリッジはレーザープリンターやコピー機など、レーザー機器には必須の消耗品です。企業などでは、トナーがなくなったときやドラムの劣化などに備えて予備を準備しているケースは多いかと思われますが、トナーは未開封の場合でも湿気や高温などの環境により劣化が生じることもあるので、残りがある程度減ってから準備しておいた方が良いでしょう。トナーカートリッジの交換時期は、残量がゼロになった段階が経済的ですが残量が減ると印刷品質も悪くなるので早めに対応した方が良いです。残量が少なくなったとき、プリントできるけれどもトナーの予備用意といったメッセージが表示された場合は交換時期が近づいている状態です。時期を迎えたときには、カラープリンターなら残量が少なく取り替えが必要な色のカートリッジが表示されますので、その指示に従い交換します。ドラムカートリッジの場合は、予備を用意しておいてディスプレイに交換が必要なメッセージが表示された段階で新しいものに変えると良いでしょう。
ドラムとトナーが一体になっているタイプもあります
一般的に、オフィス内にある複合機やコピー機で使用しているカートリッジは、ドラムとトナーが別々になっているものでこれを分離型と呼びます。レーザープリンターの中には一つの筐体に収まっている一体型もあります。一体型のカートリッジはドラムとトナーが一つの筐体に収まっているので交換の手間がかからないメリットがあるのですが、いずれか一方だけに不具合が生じているときやカラー対応機でCMYKの中でシアンだけが残量ゼロで、他の色は残りがあっても交換しなければならないなどコスト面において割高になってしまうこと少なくありません。分離型カートリッジは、2つが完全に分かれていることやカラー対応機の場合でも色ごとにトナーがあるので無駄がないなどのメリットを持ちます。トナー切れの場合は問題ないですが、不具合などが生じている場合はいずれが不具合になっているのか分からないケースもありますが、ディスプレイに不具合の原因などが表示される製品ならそれを見ることで交換すべきカートリッジが分かるので安心です。
まとめ
レーザープリンターやコピー機には、静電気を発生させてトナーと呼ぶ鉄粉が含まれているものを付着させてそこに画像や文字を表現するためのドラム、そしてトナーを充填しているトナーカートリッジの2つが使用されています。いずれも消耗品ですが、ドラムが劣化すると印字不良などが生じることもあるので、ディスプレイにドラムカートリッジの交換表示が行われたときには早めに交換する、トナーも残りが少なくなった段階で予備を購入するなどが大切です。